骨格標本作成記(ウツボ、その1)
たまたま「鳥の骨格標本図鑑」(川上和人)を購入して読んだところ、鳥の骨格の美しさに魅了されてしまったので、自分でも骨格標本を作ることにした。
調べてみると初心者がいきなり鳥を作るのは難しいらしい。調べてみるとウツボの頭骨は仕上がりもかっこよく、骨が丈夫なので初心者向きらしい。ということでまずウツボで練習して、その後、鳥で作ってみようと思う。
運よく、大きな魚屋さんが近くにありウツボを購入することができた。(手に入らなかったら釣りに行こうと思っていた)1-2kgの通常サイズを想定していたのだが、買おうとしたタイミングで入荷したのがこいつだったため5000円払って連れて帰ってきた。一本釣りらしく、口に釣り糸がついているのがかっこいい。
5kgもあると胴体部分を食べ切れるか心配だったが、骨と皮が多いのでなんとか消費することができた。本体が大きいので、さぞ立派な標本が作れることでしょう。
1.ウツボを頭と胴体に分ける
ここから包丁、自分より腕力のある同期、気合いなどを用いて解体していく。(解体後に飛びますが、ややグロいかもしれないので、嫌な方はブラウザバックをお願いします。)
背骨がかなり硬く、不出来な包丁だと切断するのが極めて大変でした。カボチャとかも切れる包丁を用意しとくとスムーズだと思います。
2.胴体を食べる
胴体の方は、唐揚げ、煮込みなどにして食べました。骨があるのでググりながら頑張って捌いてください。ゼラチンの量がすごく、謎に元気が出る味がしました。これからの季節におすすめです。
3.頭部の除肉
頭部の除肉はデザインナイフとキッチンばさみを駆使して進めます。皮が非常に硬く、私のなまくらナイフでは切れなかっため、皮を切ることは諦め身と皮を分離させた後に皮から中身を抜き取ることにしました。ウツボは口内や食道が体表と同じ茶色と黄色のマダラになっており、なんのためにこうなっているのかやや疑問でした。魚やカニはハサミや棘を持っているので、飲み込む時も丈夫な皮で身を守らないといけないということなのでしょうか??
また、ウツボの骨格の特徴として、口内から食道を胃側に進むと咽頭歯という第2の歯があることが挙げられる。せっかくなので、それも取り出しておく。
咽頭歯の隣に鰓の入り口があった。青丸の白い部分を基部として鰓が生えているのだ。水族館でみるウツボは常に口をわずかに開けているように見えるが、これは口が酸素の取り込み口を兼ねているために口を開けていないと窒息するからなのではないか?
↓続けて除肉していく。結構骨格が見えてきた。
お湯をかけると肉がいい感じに煮えて取りやすい。鍋で煮込めれば多分最強。歯がぼちぼち抜けるので注意する必要がある。
さらに除肉した後は、ポリデントにつけて酵素の力で残りの肉をなんとかしてもらう
酵素が溶かしてくれた部分は透明になって崩れやすくなるとのこと
ポリデントが緑なのでマッドサイエンティスト感があって楽しい。
次回予告
脱脂&漂白&組み立て